ガストン・ブートゥールは「古来、人間が戦争を起こす理由はただ一つしかない」と言って、その理由を「若者が増えすぎることにある」とした。(2)

『世界の終焉へのいくつものシナリオ』

ジョエル・レヴィ   中央公論新社   2006/07

<巨大津波>

2004年のボクシングデー(1226日)にスマトラ沖で発生した津波は、そんな事態など予想だにしていなかった沿岸地帯に襲いかかり、巨大な波の恐るべき破壊力をまざまざと見せつけた。第一線で活躍する地球物理学的災害の専門家によると、先進国世界の中心的地域もいま現在、巨大津波の危険にさらされていると言う。しかもその津波はボクシングデーの波を遥かに超える超巨大かつ破壊的な波だ。ロンドン大学のビル・マクガイアー教授はこう警告する。アフリカ沖合の小さな島で起きたかすかな地響きが、高さ50メートルにも達する化け物のような波となり、ニューヨーク、マイアミ、リスボンなど環北大西洋沿岸諸国の大都市のほとんどを壊滅させることになるかもしれない、と。

・マクガイアー教授によれば、ハワイ諸島や北西アフリカ沖合のカナリア諸島などで見られる火山島は、その側面で破局的な斜面崩落を起こすと、それが引き金となって巨大津波が発生するという。こうした火山はしばしばガレ石が堆積したしまりの悪い地盤でできていて、しかも地震や浸食によって割れ目や穴が蜂の巣状にあき、非常に不安定な状態になっている。噴火や小さな地震が起きただけでも、火山の側面がごっそりと剥がれ落ち、わずか数秒のうちに海中へ滑り落ちる可能性がある。カナリア諸島のラパルマにあるクンブレ・ヴィエハ火山は、そうした斜面崩落を起こす第一候補と考えられている。クンブレ・ヴィエハ火山の西側面は、数百立法キロメートルの岩石からなり、5000億トンの重量がある。1949年の地震の間にわずかに地盤がずれたため、マクガイアー教授は、西側面は、いつ大規模な斜面崩落となって一挙に海に滑り落ちてもおかしくないと考えている。

<巨大津波が誘発されるといったい何が起きるか?>

・この津波はカナリア諸島の他の島へ到達した時点で高さ100メートル、人口の集中する海岸地域から生命の気配まで根こそぎする。1時間後にはアフリカの海岸に激突し、57時間後、スぺイン、アイルランドそしてイギリスに依然7メートルの高さを保って襲いかかる。

 西方に向かう津波はほとんど高さを変えない。ブラジルに高さ数十メートルの津波が襲いかかるのは、斜面崩落から6時間後だ。912時間後にはアメリカ合衆国の東海岸地域を襲い、入り江や河口部では波が集中して50メートルもの死の壁となり、マイアミ、ワシントン、ボルチモア、ニューヨーク、ボストンを壊滅させる。

・先進国世界の主要都市の多くが壊滅すれば、世界経済は一挙に崩壊する。文明の崩壊にまでは至らなくても、その様相は一変するだろう。

<それは過去に発生したことがあるか?>

1792年に日本の雲仙で火山島が崩壊し、それが巨大津波を誘発したほか、1808年にはニューブリテンのリッター島(パブアニューギニアの近く)でも発生している。どちらの場合も数千人が死亡した。先史時代になると、さらに巨大な崩壊と巨大津波が同時期に発生した証拠が存在する。

<それは現実に起こりうるか?>

・マクガイアー教授は、平均すると巨大津波は1万年に1度発生していると試算する。

・マクガイアー教授は、アメリカやその他の地域への脅威は現実的なもので、真剣に取り組む必要があると主張する。教授によれば、アメリカ合衆国をはじめ各国政府は、大規模な避難行動の体制を整えておく必要があるという。

・理論が対立しているため「地球最後の日」となる巨大津波の本来のリスクを評価するのは難しい。結局、不確定な要素があまりに多いので、このシナリオの脅威レベルを低く設定することもできない。クンブレ・ヴィエハ火山の噴火が起きるまで、あるいは他の火山島で予期せぬ崩壊が起きるまでは本当のところはわからないのだ。同時にその時、マクガイアー教授の主張の正統性も試されることになる。

巨大津波の発生可能性 レベル2 

ダメージ レベル4 危険度 レベル3

<世界の終りは近いのか?>

・本章で取り上げた「地球最後の日」のシナリオの中で、間違いなく文明を脅かすのはただ一つ、超火山の噴火だ。その他のシナリオは可能性が低すぎるか、異論が多すぎる。あまりに巨大で方向を逸らすことも破壊することもできないような小惑星や彗星が衝突する確率はきわめて低い。島の崩壊による巨大津波の脅威については論争中だ。磁極逆転はおそらく災害を引き起こすことはない。そして宇宙論的破局あるいは迷走天体が、問題になるほど地球の近くに出現する確率は天文学的にほぼ確実にゼロだ。しかし、超火山はいつか必ず噴火する。

<訳者あとがき>

・本書で著者ジョエル・レヴィは人類文明が崩壊する29のシナリオを紹介している。インフルエンザ・パンデミックや全面核戦争、大量移民、生態系破壊、環境汚染、世界的飢饉、気候変動、小惑星の衝突・・・。対応する学問分野も医学や生物学から、工学、地球物理学、天体物理学、さらに経済学や地政学にまで及ぶ。

・しかも各シナリオの末尾には現実化する「可能性」、文明に与える「ダメージ」、そして総合的な「危険度」を10段階で評価した数値が示されていて、重視すべきシナリオの目安を与えてくれている。

 29のシナリオのうち著者が最も高い「危険度」にランクしているのは「世界的飢饉」、「生物多様性の崩壊」、「欲望爆弾」、「地球温暖化」、「超火山の噴火」で、これらはどれもレベル7という評価になっている。レヴィによると危険度がレベル5の場合、「憂慮すべき事態であり、できれば懸念される問題に取り組み、シナリオの実現を回避するために行動を起こすべき」ということだから、これらのシナリオはかなり深刻に受け止めなければならない。

『続 未来からの警告』 ジュセリーノ予言集2

ジュセリーノ・ノーブレガ・ルース / サンドラ・マイア

たま出版 200845

<カナリア諸島の噴火と津波>

・独立した災害として注目すべきなのは、カナリア諸島にあるパルマにある火山が噴火して山が海に崩落するために起きる大津波である。被害が大西洋全域に及ぶため、ブラジルでも非常に注目されている予言である。

1949年に最後の噴火を起こした際、水蒸気爆発のためコンプリ・ビジャの尾根の西半分が数メートル大西洋の方にすり落ちたといわれる。今度はそれが海の底に落ちてしまうということにある。

 このとき、崩れ落ちる土砂の大きさは、容積的には、おそらく富士山が一つ海に落ちて行くのに近いと思われる。

・この大災害の予言は、随分初期に出ているようで、先の文書から1972年には、警告書簡を送っているようである。

 これ以後さまざまな国の政府や科学者に文書が送られ、最近になって各国のマスコミや研究者が科学的シミュレーションを発表しています。

・興味深いことにその内容はジュセリーノ氏の予言に非常に近いのである。その一例は次のようにレポートしている。

・最初に発生する津波の高さは、9百メートルであるという。これが大西洋に広がっていくのだ。まず1時間後に、アフリカ大陸西岸を最大百メートルの津波が襲う。

 3時間後には、スペインの海岸に回り込んで減衰した5メートルの津波が届く。 

 しかし、真正面から大陸に向かった津波は、50100メートルの高さで南北アメリカ大陸に向かう。

6時間後に北アメリカ東岸全域に10メートル。南アメリカには15メートル、そして、またイギリスにも5メートルの津波が及ぶという。地形によってはさらに高くなるところもでる。

・この予測は2004年に科学者によって計算された数値である。

・これらの警告情報をアメリカは宇宙人からのメッセージとしてすでに受け取っていると言っていることである。

『マヤ2012 宇宙のニューサイクル』

先端科学とマヤ歴がつかんだ、天変地異と未来予測のすべて

サブリーナ・ムニョス   徳間書店  2011131

<ガイアは震動するー地震、津波、火山噴火>

・地震は毎日14百回程度、発生しています。

・とはいえ、イタリアは、アメリカのカリフォルニア州西海岸ほど深刻な状況にあるわけではありません。カリフォルニア州西部と残りの合衆国をほぼ13百キロメートルにわたって分断する「サンアンドレアス断層」は、住民にとってはまさに脅威です。

・事実、1906418日には、未曾有の大地震が発生しました。サンフランシスコの街は壊滅し、無数の死者が出てしまったのです。それ以来、人々は「ザ・ビッグ・ワン」再発の恐怖に常に怯えながら暮らしているのです。特に、現在の人口密度を考え合わせれば、なおさらのことです。

・地震は、一部予測可能な火山の噴火とは違い、予測ができません。しかしながら、人口密集で避けるべき危険度の高いエリアというのは十分な精度で判明しています。とはいえ、こうしたエリアの人口密度が高くなってしまっているのが現実です。

 日本(世界有数の地震国)のような国では人々は生まれた時からこの自然現象と共存する術を学び、地震対策の知識も身につけています。ですが、地球という生命体が強烈に震動して犠牲者を出そうと決めたならば人間には何ら打つ手はないのです。

・海底で岩盤が破壊されると、その影響が更に拡大する場合もあります。

・隕石衝突で発生する津波は、高さ数百メートルの超巨大波になり得ますが、他の原因の場合には、大きくても高さ数十メートルが限度です。とはいえ、この高さでも死者を出すほどの破壊力は十分に備わっています。その典型的な例として、挙げられるのが、先ほども触れた、20041226日に発生したスマトラ島沖大地震です。インド洋に面する国々の海岸線に襲いかかった津波は、25万人以上を死に至らしめたのでした。

・一方、老朽化したバラック住宅の貧民街が広がる海岸地帯などといった自殺行為的な都市計画は、被害の拡大に繋がりました。さらには警報システムが機能していない、あるいは存在すらしない状況が犠牲者を増やす結果となったのです。地震発生から津波が陸地へ到達するまでには数時間を要します。ですから、予め避難勧告を出していれば、少なくとも一部の市民は難を逃れることができたはずなのです。

・同じような状況にあるのが、ハワイ島の海底です。そこでは、約70の巨大な海底岩屑なだれが確認されていて、その堆積物量は1千立方キロメートル以上にも上るのです。もし不安定な状態にあるこの岩屑が崩壊するようなことになれば、太平洋沿岸に散在する街が全て呑み込まれるほどの超巨大津波が発生することになります。

とはいっても、こんなものは、地球の他の地域に起こりかねない災害に比べれば微々たるものです。

・カナリア諸島。ラ・パルマ島には数百立法キロメートルの巨大岩塊が、ケンプレビエハ火山の西斜面に不安定な形が残されています。

・これが崩壊すれば(崩壊することは確かですが、いつそうなるのかは分かりません)、大西洋沿岸は巨大津波に襲われることになります。一部の研究者は山が崩壊し岩屑が海に流れこんでから、僅か2分後には、高さ9百メートルにも及ぶ「水の壁」が聳え立つと算定しています。また、その後45分間で波の高さは百メートルにまでに低くなりカナリア諸島沿岸に大打撃を与えるとのことです。

・そして、この殺人津波は制御不能に陥った列車のように、アメリカ大陸に向けて突き進んでいきます。噴火から数時間を経て、高さ数十メートルの津波が沿岸部に襲来することになります。大西洋沿岸の街は壊滅状態に陥り、海岸線の地形は大きく様変わりすることでしょう。もちろんのこと甚大な被害と数多くの犠牲者が出ることになってしまいます。

<地震と津波は同じコインの裏表なのです>

『未来を透視する』  FBI超能力捜査官

(ジョー・マクモニーグル) (ソフトバンク・クリエイティブ) 2006/12/26

<気象変動>

・来るべき気象変動により、2008年からこの台風の発生回数は増えていくと私は、予想している。とくに2011年は過去に例を見ない台風ラッシュとなり、大規模な暴風雨が吹き荒れる深刻な年になるとの透視結果が出ている。この台風ラッシュは、2012年にずれこむかもしれないが、可能性は低い。嵐の増加を促す地球の温暖化は、現在も急速に進行中だからである。

2010年から2014年にかけて、また、2026年から2035年にかけて、平均降雨量は年々560710ミリメートルずつ増加する。現在から2010年にかけて、また、2015年から2025年にかけては、380530ミリメートルずつ減少する。現在から2010年にかけて、また、2015年から2025年にかけて、平均降雪量は300550ミリメートルずつ増加する。

『未来を透視する』   FBI超能力捜査官

ジョー・マクモニーグル  ソフトバンク・クリエイティブ  2006/12/26

<日本の自然災害>

2010年、長野で大きな地震が起きる>

・透視結果を見てもうろたえず、注意程度にとらえてほしい。ただし、最悪の事態に備えておいて、何も起こらないことを願おう。こと天災に関しては、透視は間違っているほうがありがたい。

<今後、日本で発生する大地震>

2007年  高槻市  震度6

2008年  伊勢崎市 震度6

2010年  長野市  震度7

2012年  伊丹市  震度6

2018年  東京都  震度6

2020年  市川市  震度6

2037年  鈴鹿市  震度7

・噴火や地震にともなって海底では地盤の隆起や沈降が起きる。そして、膨大な量の海水が突然動きだし、衝撃波となって陸地の海外線へと進行する。

・遠洋ではあまり目立つ動きではないが、浅瀬に入ると、衝撃波は巨大な津波となって陸地を襲い、都市部などを徹底的に破壊してしまう(波の高さはときには30メートル以上になることもある)。

・内陸へと押し寄せる力がピークに達すると、今度は海に戻り始め、残された街の残骸を一切合財引きずりこんでいく。警告もなしに、突然襲ってくれば被害はとりわけ甚大となる。

・幸い日本には、優良な早期警戒システムがあるのだが、海底地震が発生して警報が発令されてから、津波が押し寄せる時間は、残念ながらどんどん短くなっている。

<日本を襲う津波>

2008年夏   11メートル

2010年晩夏  13メートル

2018年秋   11メートル

2025年夏   17メートル

2038年初夏  15メートル

2067年夏   21メートル

・日本は津波による大きな被害を受けるだろう(なお、波の高さが10メートル以上に及ぶものだけに限定している)。北海道の北部沿岸の都市部は特に津波に弱い。徳島市、和歌山市、浜松市、鈴鹿市、新潟市、石巻市も同様である。このほかにも津波に無防備な小都市は数多くある。

<土地>

・気象変動とともに、日本の土地問題は悪化しはじめる。沿岸部での海面上昇と、暴風雨の際に発生する大波によって、低地の村落と小都市の生活が脅かされるようになる。堤防や防壁といった手段は効力を発揮しないため、2012年から2015年のあたりまでに多くの人が転居を余儀なくされるだろう。

『世界不思議百科』

コリン・ウィルソン + ダモン・ウイルソン 青土社 2007/2

<歴史と文化の黒幕 神秘の人びと>

<ブラヴァツキー夫人の奇跡>

1883年の初頭、ロンドンで『密教』と題する本が出た。たちまち評判になり第二版に入った。著者はアルフレッド・パーシー・シネット。髪の毛が後退しかけた痩身小柄な人物で、インドでもっとも影響力のある新聞「パイオニア」の編集長である。まずセンセーションの対象となったのは、第一ページに麗々しく出ているシネットの序文である。同書の内容は、チベットの山中深く住みほとんど永遠の長寿の「隠れた聖者たち」から得たものという断り書きだ。インドにおける大英帝国の代弁者とみなされる新聞の編集長が出した本だ。そこいらの「オカルト」狂いと無視するわけにはいかない。

1880年の10月、シネット夫妻は評判のブラヴァツキー夫人を自宅に招待した。夫人は自分の知識の大部分は、ヒマラヤに住んでいる「隠れた聖者たち(隠れた首領)」から得たものだと彼に語った。

<生来の「霊媒」>

・生来の霊媒が存在するという前提を認めるとしよう。特殊な「魔力」を所有するか、またそれに所有されている霊媒だ。その前提に立てば、ブラヴァツキー夫人がその種の人間であることはまず疑いようがない。

<心霊は存在するのか>

・ブラヴァツキー夫人は、隠れた聖者たちという考え方の発明者ではない。これは、昔から「オカルト」に一貫した考え方である。

・オカルティストは、第一に比較的不完全な状態から、比較的高い肉体的および精神的状態へ進化の途中だという考え方を奉ずる。第二に、進化の過程のあらゆる段階は、この比較的高い状態へすでに達している「偉大なる知能者ヒエラルキー(階層)」により命令されるとオカルティストは考える。

<超能力と進化>

・ブラヴァツキー夫人は1891年に世を去るが、高度知能と接触したと信ずる「オカルティスト」(超自然現象に興味を持つ人という意味の広義)はその後も跡を絶たない。アリス・ベイリーは、ブラヴァツキー夫人の没後に神智学協会の有力メンバーになるが、シネットが言う「マハトマ」(「偉大な魂」の意)クート・フーミと接触したと自認する。神智学協会内の主導権争いにいや気がさした彼女は、1919年に別のグループを組織し、「ザ・ティベタン」(チベット人)という存在から口授されたと称する多くの書物を世に出した。

<洞察力あふれる哲学者の相貌>

・心霊調査協会の初期のメンバーの牧師ステイントン・モーゼスは、「自動筆記」の手段で、大量の筆記文書を残した。これは本人の没後、『心霊の教義』として出版される。モーゼスはこの抜粋を生前に『光明』という小冊子にまとめているが、自分の鉛筆を動かした心霊のなかには、プラトン、アリストテレス、旧約聖書のなかの予言者などと称するものがあると困惑を隠していない。

1963年のアメリカのことである。ジェイン・ロバーツと夫のロブはウィジャ盤で実験を始めた。「ペイシェンス・ワース」にある程度影響を受けた。さまざまな人格が身元を明かしてメッセージを伝えてきた。やがて身元を「セス」と明かした人格が登場し始める。

・「セス」は『セスの資料』、『セスは語る』などの題の多くの本を伝授し続けた。本はいずれも素晴らしい売れ行きを示した。ジョイン・ロバーツの無意識の心の一側面であれ、または本物の「心霊」であれ、セスが高いレベルの知能の所有者であることを、これらの書物はまぎれもなく示している。

<時代を越えて伝世されるオカルト教義>

20世紀のもっとも独創的な認識者の一人ゲオルギー・グルジェフは、青年時代の大半を「サームング修道会」というものの研究に捧げるが、後に世に出て、その基本教養を北ヒマラヤ山中の僧侶修道会から授かったと唱えた。

・しかし、グルジェフの高弟P・D・ウスペンスキーは著書『奇跡を求めて』で次のように述べる。「グルジェフの『精神現象的』教義の背景にはきわめて複雑な宇宙体系がある。これは教義そのものには明確な関連性を欠くもので、グルジェフ自身の独創によるものではないと考えられる」。

・この宇宙論をさらに詳述したものに、もう一人の高弟J・G・ベネットの4巻本の『劇的宇宙』がある。同著は次のような確信から出発する。「宇宙にはデミウルゴスという1クラスの宇宙要素がある。これが宇宙秩序の維持を司る。このデミウルゴス知能は、人間の生涯をはるかに超えた時間スケールに対して作用を及ぼす」(訳注:デミウルゴスはプラトンが世界の創造者と考えた概念で、キリスト教的グノーシス派もこの神を認めている)。

・デミウルゴスは、なにか新しくかつ生起原因のないものを世界のプロセスへ導き入れる点では、人間よりもはるかに大きな力を所有している。しかし、決して誤らないわけではない。デミウルゴスの主な仕事は「生命のない原初から世界の進化を導くこと」だが、「時には実験と試行を繰り返し、時には誤謬をおかして元に戻り、海から生命が発生して陸の動物が存在を開始すると前方への大跳躍を行なった」。ベネットは次のようにも付け加えている。「グルジェフ師はデミウルゴスを『天使』と呼んでいるが、この言葉には多くの連想があるので使用を避けることが望ましい」。

<文化の進展と地球の進化>

・あまたの世紀にわたって東方には不思議な言い伝えがある。どこか隠れた土地、中央アジアの高地地方と考えられているが、異常な力を所有する一群の人が存在しているという。この中心部は、少なくともある面では、世界の秘密政府として振る舞っている。

・この言い伝えの一部は十字軍時代に西方に伝えられている。1614年には薔薇十字団の装いで出現する。19世紀にはブラヴァツキー夫人とフランスの外交官ジャコリオによりヴァリエーションを加えて再登場する。英国では作家タルボット・マンディがこれに続き、最近では1918年のモンゴルの旅行家オッセンドウスキーがいる。

・この言い伝えの神秘の土地シャングリラでは、一部の人は、通常の人間の状況を越えて進化し、この惑星を越えた力の統治者として行為している。下のほうの階級は、東方でも西方でも、それと気づかれることとなく普通の人と混じりあって生活し、歴史の重要局面では必要な結果を得るために努力し、地球の進化全体を太陽系の事象と歩調が揃うよう維持している。

<「隠れた首領」という知能>

・「隠れた首領」という表現を初めて用いたのは『劇的宇宙』におけるベネットその人である。キャンベルはこの本のテーマを次のように要約している。

 人類の長い物語を書くのは、人間自身の知能よりもはるかに偉大な知能である・・・地球上のこのプロセスを司るのは、『隠れた首領』と呼ばれる知能である。これは、オカルト伝承では個体(たとえば、「統治者」、「古代者」など)として象徴されるレベルに対応する。また、これはデミウルゴスのレベルまたはそのすぐ下のレベルにも相当する。

・人類全体に対する行為と並行して、執行者およびその直属者は、個々の人間の意識レベルの向上に関する地域的な行為も司る。

 特に選ばれたこの種の普通人は、執行者の作業への参加資格を望むこともある。この資格認定のプロセスは、マグナム・オーパス、すなわち「大事業」である。これは進化全体の潮流に合わせた緩やかな上昇とは対照的な高レベルへの垂直的上昇である。


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by karasusan | 2016-11-02 18:50 | その他 | Comments(0)