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地上の数十センチ上のあの世から、さらにいくつもの霊的次元(地球の霊界は、10次元です)の世界が平行に存在しています。そう、霊の世界は、究極のパラレル・ワールドなのです!(1)

『霊界散歩』

怖いけど、ちょっと覗いてみたい、死後の世界。

今を、もっと幸せに生きるための案内書。

案内人 はる   マーブルトロン     2012/1

<あの世ってどこにあるの?究極のパラレルワールド>

実はあの世は、あなたが生活している世界と重なるように存在しています。正確に言うと、地上20センチくらいのところから浮くようにして重なっているのです。

 そして、地上の数十センチ上のあの世から、さらにいくつもの霊的次元(地球の霊界は、10次元です)の世界が平行に存在しています。

 そう、霊の世界は、究極のパラレル・ワールドなのです!

 不思議ですが、あなたが最初に行くあの世と呼ばれる霊の世界は、ほぼ現実のこの世界と同じ位置にあると考えていいのです。

 よく幽霊を見た人が、「ふわっと浮いていた!」って言いますよね。地上から20センチずれている世界なので、まさにそのとおりなんです。

<あなたが最初の行くところ。その先は見たこともない世界?それとも……>

・幽体となったあなたが最初に行くところは、この世とあの世の境目。あなたが暮らしていたこちらの世界と重なりながら存在しているあちらの世界の入口、まさしく霊界へのトランジット地点。そこには、この世とまったく同じ、驚きの世界が広がっているのです。

・死んだ直後は、誰でもまだこのトランジット地点をうろうろします。「幽界」や「精霊界」、「幽現界」とも呼ばれる境目(この本では「幽界」と呼びます)には、霊界へと旅立つ前の霊がいっぱい。

 この場所でフラフラしている間は、あなたも彼らも、俗にいう「幽霊」と呼ばれる存在です。

・さて、ここ幽界にいる彼らはみな一様に自分が死んだことに気づかず、生前と同じような行動をしているのが特徴。 

家もあるし、学校もある。食べたり、寝たりもできる世界です。この世でやっていたことをあの世でも再現できるのです。

そのため、多くの幽霊は、自分が死んだことをなかなか理解できません。だって、昨日までと同じ生活が目の前にあるのですから……。

・僕はユタという仕事柄、ときどき病院でヒーリング活動をするのですが、病院は死が身近なせいか、本当にたくさんの霊たちがいます。

<この世とあの世の境を彷徨う霊たち。幽霊とデートした女性>

・僕の家系は沖縄で先祖代々ユタを生業としてきました。琉球王朝時代には政府の指南役を勤めたほどの由緒正しいユタの系統なのです。

 もちろん、僕の母もユタですし、祖母もユタでした。兄妹は6人いますが、僕だけがユタの能力を受け継いでいます。

・そうやって霊たちは、はじめて自分の死を自覚し満足していきます。自分の気持ちを果たすことで、魂のおもりが少しずつはずれ、本当のあの世(霊界)へと旅立ちとなるのです。

<幽体離脱……。肉体スーツから離れるとき>

・ベッドに横たわる自分、泣き崩れ、寄り添う家族。慌ただしく動き回るお医者さんや看護師さんたち……。あなたはその光景をまるで映画のワンシーンでも見るように、上からじっと見つめているのです。冷静に、しかもまるで他人事のように—―。

・ご存じのように、これは肉体からあなたの幽体が抜け出す「幽体離脱」という現象。僕自身も幼い頃から何度も体験しています。

これはユタにとっては宿命の「神倒れ」現象。「神倒れ」は、将来ユタになる子どもが高熱を出したりし、生死の境を彷徨う体験をすること。この神倒れを機に、神様とユタになることを約束させられるのです。

 僕の最初の臨死体験であり、幽体離脱の記憶です。その後33歳になるまで、何度も同じような体験を重ねてきました。

<魂の里帰り。「眠り」は死の予行練習?>

・幽体離脱は誰もが毎日毎晩実行している、ごくありふれた行動なのです。

 実は、毎晩あなたが深い眠りに落ちたそのとき、あなたの魂はあなたの肉体から離れ、あの世へと里帰りしているのです。

 そう、幽体離脱は眠っている人すべてに起こること。誰もが気づかないうちに霊界への里帰りをし、この世での試練の数々に疲れた魂を癒し、エネルギーを補給しているのです。

・でもときには目が覚めても鮮明に覚えていること、うつろだけれどなんとなく思い出せるような場面はありませんか?不思議な気分になったり、どこか懐かしさを感じたり、また、あまりにも生々しさが残っていたり……。それは微かに残っているあの世での記憶なのです。

<この世での人生は「修行」>

・あちらの世界は、あなたの魂にとってはとても居心地がいい場所。だって、そこにはあなたと同じ波動の人しかまわりにいないのだから。だからこそ、毎晩あなたはあちらの世界へ戻って、疲れた魂を癒す必要があるのです。

 人の睡眠時間は1日の約3分の1。人生90年とすれば、30年はあちらに帰っている計算です。そう考えると、魂は永遠なのだからこの世での60年なんてほんの数分程度のことなのです。

<死の直後。醒めない夢の世界>

・あなたは何度も目の前にある肉体へ戻ろうとします。

 自分のお葬式にも参加して、みんなの顔を覗き込んだり、話しかけたり………。

 それでも「死」を自覚できないあなたは、懐かしい家や学校、会社、思い出の地、そして大好きな人々のそばなどさまざまな場所を彷徨うでしょう。

<魂の気づき。四十九日の意味>

・日本では一般的に「死者は死んだ後も49日間はこの世にいる」と言われますが、実はそうではなく「死者は中陰(あの世とこの世の間)に49日間いる」という意味なのです。

・あの世を本当に熟知している高名な修験者やお坊さん、生前から死後の世界を信じていた人、さらに霊的に高いレベルの人たちにはこの期間はまったく無用。肉体の死を迎えたらあの世(霊界)へと旅立っていきます。

<死者のお迎え。懐かしい人々との再会>

・おそらく、あなたの一生であなたとごく親しい関係になるのは、3040人ほど。もちろん、ひと言、ふた言会話する程度のほんの一瞬の出会いは、もっともっと何十倍もあります。

 ごく親しい人というのは、あなたと趣味が合ったり、心が通じ合ったり、またとても尊敬したり………短い期間ではなく、それこそ一生のお付き合いができる人たちのことです。

 そういう人たちとあなたは、実はあの世でもとても深いつながりがあるのです。

<あの世(霊界)にいるときに、この世の人生のキャスティングを決める>

・この世に生まれてくる前には、誰でもみんなこの作業をしています。ただし、たったひとりでキャストを決めるわけではありません。あの世のあなたの家族がみんな一緒になって決めているんです。

 あの世というのは魂のレベルによっていくつもの階層に分かれています。そして、その階層で暮らしている人々は、同じ波動をもつ人同士がそれぞれが一緒にいます。まるで人口40人ほどの小さな村(もっと大勢の人が暮らす、町のようなケースもあります)がいくつも点在しているようなもの。

この世(現世)に生まれる前、そしてずっと前からあなたはこの村で暮らしていました。そして、その村で暮らす人々、それがあなたの本当の家族、「ソウルグループ」なのです。

・つまり、その村の誰かがこの世へ行って厳しい修行をしてこないといけません。それは村人たちにとっては、とてもつらく悲しいこと。本当は行かせたくないけれど、魂の修行をしなければ自分たちの村がより上の階層へ移っていけないので仕方ありません。

・この世は魂の修行。同じような考え方や同じ趣味の仲良しグループだけでは魂の鍛錬はできず、成長することもありません。

 あなたの魂よりレベルの低い人、高い人、意見の合わない人など、いろんな人と出会い、交流することであなたの魂が洗練されていくのです。

<この世の人間関係は、同じ仲間でグルグル回っている?>

いろんな人と出会うことがこの世での修行ですが、長い時間軸で考えると、実は、この世の人間関係は案外同じキャストで回っています。

・基本的にはあなたの人生の重要なキャストは、あなた自身のソウルグループの仲間が担ってくれるので、そんなときは注意を促してくれるはずです。

 もちろんあなただって、仲間たちの人生にキャストとして登場します。そうやって同じ村で暮らす仲間たちは、それぞれの脚本の中でいろんな役を回しながら、魂の鍛錬を繰り返しています。

<先祖代々は間違い!?家計の秘密>

・さて、ソウルグループではキャストを回しながらグループ全体のレベルアップを図っているといいましたが、実は、家族として派遣されるほかのグループの魂だって、意外と同じなのですよ。

 日本人は、とかく「家系は延々とつながり、ご先祖さまもたくさんいる」と考えがち、果たしてそうでしょうか?

 実は、魂が演じるこの世での家族は、長くても4代で終了します。

・あの世は自由で居心地のよい世界。

 気(波動)の合わない仲間と我慢して一緒にいなければ、なんて考えなくていい世界なのです。あの世では、あなたはあなたの波動と同じ霊体たちと行動し、魂の鍛錬を繰り返して次元のレベルアップをめざせばいいだけです。

<魂の交流の変化は、地球の変化の前触れ!?

・僕は小さな頃から、この本来の人生ともいうべき川の水の中に身を置き、生きてきました。ユタとして、川の水、すなわち「あの世」に身を置きながら、一瞬の泡のような「この世」に目を向けてきたのです。

姿形を変えてでも憑依する霊は醜い波動を発し、この世にもさまざまな悪影響を与えるようになってしまいます。

<人間を脅かす悪霊たちの所業>

・地縛霊が、恨みをもって現れると「怨霊」。霊が人やものに取り憑くと「憑依霊」。「悪霊」「死霊」「地縛霊」……と、怖い霊の名を思い浮かべるだけでもきりがありません。

・霊界に行けない霊というのは、それだけタチが悪いと思ってください。どんなときにも隙をつかれないポジティブな思考は大切。

<ユタへの決意。沖縄の幽霊ビル>

・自殺以外にも、殺された人、死にたくないとこの世に念を残す霊も地縛霊になりやすいのです。

 僕のようなユタの本来の仕事は、地縛霊を解くこと。霊たちのこの世への執着心を解き放しあの世へと導き、土地を清め、生きている人間に霊障がおよばないようにすることです。

・のちに除霊をお願いすることになった高名なユタの先生によれば、そこは霊界へと旅立てずこの世に強烈な執着心をもっている霊、いわゆる地縛霊たちの棲み家。この地縛霊を除霊しないままビルを借りた僕にも当然、霊障が降りかかってきました。

 霊たちによる営業妨害。悪い波動の人たちが入れ替わり立ち替わり近づいてきては僕を騙し、とうとう僕は数千万円もの借金を背負うハメになったのです。

<現世で新たなカルマをつくってしまう>

・「自分がされたらイヤなことは、相手にもしない」。これが基本です。ただ、魂が未熟だとこの基本を忘れてしまい、前世のカルマを解消するどころか、現世で新たなカルマをつくってしまうことだってあります。

 

・言うなればカルマは魂の借金みたいなもの。早くその借金を返済すると、心がスッキリ軽くなるのと同じように、クレイな魂は、あの世でのステージアップも早まるのです。

<返済期間が短い!?沖縄のカルマ解消法>

・僕が生まれ育った沖縄は、日本の中でも独特の土地です。沖縄は霊の島と言われるほど、そこで暮らす人々にとって霊は身近な存在。だから当然のようにみんなが神様を大切にし、先祖を大切にしています。生き様が悪いとすぐに霊が知らせてくる、そんな風土だからこそ、カルマという魂の借金も、沖縄では返済期間が短いのが特徴です。

沖縄には、僕のように霊と交信して問題解決のアドバイスをする「ユタ」と呼ばれる人が、3千人~1万人いると言われています。これはユタを生業とする人の数ですから、単純に霊の気配を感じられる、見える人は、もっともっとこの何十倍もいるのです。

・僕のようにユタとなる運命の人も、その厳しい修行に耐えきれず、精神障害を引き起こしたり、最悪、自殺してしまうケースもあるくらいです。それは現世でつくった新たなカルマとなり、また何百年更に新たな魂の修行をし直さなければなりません。

<神秘の輝きをもつ、秘密の湖>

霊界のもっとも静かで美しいエリア。ここが、僕が「生まれ変わりの湖」と呼ぶ美しい湖のある場所。とってもキレイなところでしょう?ここは、本来、生まれ変わりを決めた魂しか入れません。そっと覗いてみましょう。

 向こうのほうにキラキラ輝いている場所、あそこが湖。水深はわかりませんが、底が見えないほど深いブルーの水面です。

 岸辺にたくさんの霊(魂)が並んでいます。

<あなたの心のチューニングに合わせて、霊は来る>

・あなたがこの世で修行を決めたとき、あの世の家族のメンバー全員で協議して、誰があなたを一生見守るのかを決定します。

 まるで家族会議のように、あなたが書いたこの世の人生の脚本を吟味し、いちばん最適なメンバーをあなたのメイン守護霊として選出するのです。

 メイン守護霊となった仲間のミッションは、あなたの魂が肉体スーツを着てから脱ぎ去るまでずっと寄り添い見守り続けること。

<あなたを助ける、背後霊たち>

・メインの守護霊のほかに、この世で生きているあなたを助けてくれる霊がいます。中でも次の「指導霊」はメイン霊の次に重要なポスト。

「指導霊」は、あなたのメイン守護霊と協力して、才能や趣味など専門的な分野であなたを指導してくれる霊体です。

・守護霊には、ほかに「補助霊」と呼ばれる文字どおりメインの守護霊や指導霊をサポートする役目を担っている霊もいます。

・このほかにもあなたの運命を司る「支配霊」と呼ばれる霊もいます。メインの守護霊や指導霊とは違い、あなたの人生そのものを霊界から支援する霊のことをいいます。

・あなたが「単なる偶然」と澄ましていることも、すべてこの支配霊のコントロールにより支援されていると覚えておくといいですよ。

<輪廻転生。生まれ変わりってあるの?>

・僕たちがこの世に生まれ変わってくるスパンは約200300年程度。世界平均で600年ほどなので、今この世に生きているあなたは、遠くても13001400年代(鎌倉時代~室町時代)に生きていたことになります。

霊のなかには、理由あって早く生まれ変わってくることもありますが、そういった場合には二重人格を引き起こすケースも………。

<ソウルグループって、どんな種類があるの?>

・あの世にあなたのソウルグループが住む村や町があるように、地球上で魂の修行を積んでいる70億霊(人)それぞれに合うグループがあります。

 日本には日本の霊界、中国には中国霊界、アメリカにはアメリカ霊界があり、それぞれのステージでみなグループをつくっています。広い意味でいえば、みんな地球霊界の住人なのです。

・同じ波動の魂が集まるので、アメリカ人としてこの世で暮らしていた人でも日本霊界のグループの波動に共鳴すれば、日本霊界に集まってきます。

そして霊界は地球だけにあるわけではありません。実は金星や土星など太陽系の惑星にも霊界があるんです。

 太陽系の霊界は、地球霊界のソウルグループと協力関係にあるんですよ。驚きでしょう?

・たとえば、金星は美や芸術性に優れていたり、土星は技術系に長けていたり……。信じられないかもしれませんが、太陽系に霊界があるということは、そう、各惑星にはそれぞれ人が住んでいるんです!

・太陽系の生物は、地球の人間の投影。だから姿形はほぼ同じで、単に民族性が違うだけです。

 実際、僕のところにはいろんな惑星からこの地球に来ている人がやってきます(信じられないかも知れませんが……)。

『彼岸の時間』意識の人類学

蛭川立  春秋社  2002/11

<聖なる狂気―沖縄のシャーマンの巫病は「精神病」か?>

<人はどのようにしてシャーマンになるか>

・沖縄の精神科の病院には、ときどき、神がかかった女性も診療にくる。そういうときには、この病院ではカルテに「カミダーリ」(巫病)と書いて、近隣のユタを紹介したりもしていた。「ソゾ(精神分裂病)には薬が効くけど、ターリ(巫病)には効かないからね、薬を出してもおさまらないさ」と、ドクターは語っていた。

・人がユタになるとき、沖縄ではだいたいある決まったコースをたどる。まず、「タカウマリ(高生まれ)」という先天的な資質(運命?)があると考えられている。そして、大人になってから「カミダーリ(神垂れ?神祟り?)」とか、「カミブリ(神触れ)」という、心身の異常を経験する。これはだいたい2040歳ぐらいの女性に起こることが多い。病気や家庭の不和など、不幸な出来事がきっかけになる場合が多いが、特別なきっかけがなく突然起こることもある。

・医者に行っても治らない。自分でも意味が分からない場合は、ベテランのユタのところに相談に行く、先輩ユタは、お告げの主が誰なのか、何代前の祖先なのか、どういう神様なのかをみきわめ、それを拝むように指令する。守護霊的存在を特定してそれを拝むようになるとカミダーリはおさまり、かわりに必要に応じて先祖や神のメッセージを受け取ったり病気を治したりすることができるようになる。こうしてユタが再生産される。はじめは日本人は戸惑うらしいのだが、必要なことは神の声が聞こえてきて助けてくれるというものらしい。

<巫病・分裂病・臨死体験>

・カミダーリの症状は、妄想型の精神分裂病(統合失調症)の幻覚、妄想状態と似ているが、個々の点をみると違っているところも多い。カミダーリは圧倒的に女性に多いし、同じ幻覚でも分裂病では幻聴が多いが、カミダーリでは幻視が多い。

・アメリカでは近年、こうした巫病状態を霊的危機と呼んで、いわゆる精神病とは区別しようという考えも出てきている。

<神は右側頭葉に宿り給う?>

1938年、カナダの精神科医は、てんかんの治療の一環として、本人の意識を保ったまま大脳皮質を電気刺激する実験に成功する。側頭葉を電気刺激すると、ある部分では人は過去の記憶をありありと思い出し、ある部分では自分が自分自身やこの世界から離れていってしまうような離人感を体験し、ある部分ではキリストの姿を見るという体験さえ引き起こされたという。臨死体験研究の第一人者、M・モースは、2001年の夏にシアトルで行われたIANDS(国際臨死研究学会)で「神は右側頭葉に宿り給う」と宣言していた。

・全体の8割の社会に脱魂型または憑依型のシャーマンが存在し、しかも、脱魂型と憑依型のシャーマンが同じ社会に存在することはほとんどない。むしろ、脱魂型のシャーマニズムと憑依型のシャーマニズムは、同じ現象の異なる社会的表現だと見ることができる。

『ニライカナイの風』

生魂のスピリチュアルメッセージ

上間司     角川学芸出版     2010/4/17

<マブヤー>

・マブヤー、もしきはマブイという言葉を聞いたことはあるでしょうか?

 もし、今この本を手に取ってくださったあなたがウチナーンチュ(沖縄人)であるならばよくご存じのことでしょう。ですが、それ以外の方には耳慣れない言葉だと思います。

 沖縄では、昔から人は7つの生魂を持って生まれてくると言い伝えられてきました。その生魂が「マブヤー」です。人は、7つのマブヤーがきちんと心臓におさまってさえいれば、心も体も健やかな状態で過ごせます。

 ところが、困ったことにマブヤーはとても不安定で、突然の事故やなにかでびっくりしたり、気が動転したりすると簡単に抜け落ちてしまうのです。

 そして、マブヤーを落としてしまうと、必ず心身に悪い影響が出てきます。原因不明の体調不良や病気、精神的な疾患に悩まされている人は、たいていの場合、マブヤーを落としてしまっています。

<無駄な拝みや宗教にお金をつかうことはやめなさい>

・私は、神人(神に仕える霊能者のこと)として活動し始めて以来、マブイ込みの大切さを知らないばかりに、しょいこまないでよい不幸を抱えてしまった人たちに数多く出会いました。そのたびに、真実を伝えることの重要性を痛感してきたのです。

 また、みなさんにお伝えしなければいけないのはマブヤーのことだけではありません。

 神や霊(祖先霊や地縛霊)、そして人の念や口災いなどが原因となって、様々な心身的症状や不幸な出来事が発生するということも知っていただかなければいけないと考えています。

こうした、霊的なことが原因で起こるいろいろな症状を、私は「霊症」と呼んでいます。

霊症が起こると、日常生活に様々な困難が発生し、適切に対処していかないと大変な目に遭ってしまいます。

・沖縄は、昔から拝みをする(ユタなどが祈願をする)ことが盛んな地です。大きな病気をしたり、予期せぬ不幸に見舞われたりした場合、すぐユタに相談し、原因を祓ってもらおうとします。実は私自身、神人として働き出すまでは多くのユタに助けを求め、拝みを繰り返していました。ですが、拝みが通ったことは一度としてありませんでした。その間、ユタに言われるまま多額の謝礼を払い続け、とうとう大きな借金を背負うまでになってしまいました。

・内地ではお金をつぎ込む対象が新興宗教だったり霊媒師だったりするだけで、同じようなことは日本、いや世界各地どこでも起きています。

 幸せになろうとした行為で借金を抱え、不幸になってしまう……。こんな馬鹿なことがあるでしょうか。

 一つだけ、はっきり言えることがあります。

 いくらお金をつぎ込んでも全く事態がよくならないのであれば、その霊能者なり宗教なりが本物かなのかどうか、今一度冷静になって考えたほうがよいということです。

・私は、神人として、どんな拝みをする時にも全パワーを注ぎ込み、問題の原因を根っこから解決してきました。拝みをする時には、神・霊・生魂が縛られている場所を探しだして、ポイントをつかみ、その場所で拝みを行います。一時しのぎのお祓いや無駄な拝所巡りは一切しません。

<生魂(マブヤー)とはなにか>

・「人は生まれてきた時、7つのマブヤー(生魂)を持っている」

沖縄では、昔からこう言い伝えられてきました。

 このような伝承を持つのは、沖縄だけではないようで、古代エジプトでもやはり魂は7つあると考えていたそうです。

・マブイ込みは、なにも沖縄だけの習慣ではありません。内地でも、愛媛では魂のことをウブと言い、子どもがものに驚いて気が遠くなることをウブが抜ける、それを戻し入れるのをウブ入れと呼ぶそうです。

<長寿県ではなくなってきた沖縄>

・一般的に、沖縄は長寿県というイメージがあります。ところが、データで見ると必ずしもそうではないようです。

 厚生労働省が発表した2005(平成17)年の寿命に関する統計調査を見ると、都道府県別の平均寿命で、沖縄は女性こそ堂々の一位ですが、男性はなんと25位、しかも年齢別の平均余命を見ると若い人ほど順位が低くなっています。

「沖縄はオバアだけが元気ってことか!」という声が聞こえてきそうですが、それもこれもオバアたちが今に至るまでマブイ込みの伝統をよく守ってきたからではないでしょうか。

・それゆえ現在のお年寄りにはマブヤーを落とすこともなく、元気で溌剌と暮らしていらっしゃるのです。お年寄りにマブイ込みが習慣としてしっかりと根付いていた結果と言えるでしょう。

 しかし、残念なことに、今や沖縄でもこの習慣は失われつつあります。特に若い人は「人に見られたら迷信深い人間と思われそうで恥ずかしい」という意識が働き、「今、マブヤーを落としてしまったんじゃないか」と思っても、マブイ込みをしないまま放っておくことが多いと聞きます。それと同時に、マブヤーの大切さも忘れられつつあるのです。

 そのせいでしょうか。最近は沖縄でも、原因がはっきりしない病気に苦しむ人が増えてきたように思われます。また、家族のひきこもりや無気力症に悩むご家庭の話もよく聞くようになりました。

<マブヤーを落とすとどうなるか>

・話を戻しますが、後日マブイ込みをしたH君は、マブヤーを入れたその日から目に見えて変化していったそうです。まず、言葉遣いから変わりました。そして、毎月のお小遣いも23千円程度になり、自分の要求が受け入れられないからといって暴れるようなこともなくなりました。マブイ込みをしたことで、心が落ち着いたのです。その変化は、周囲の人も驚くほどでした。

「まるで別人だね」と言われることもしばしばだったとか。今では、すっかりよい青年になったと聞いています。

<鬱病になったMさん>

・Mさんは30代の女性ですが、大学を卒業し、就職した頃から精神的に不安定になり始めました。始終やむことのないイライラから始まり、睡眠障害が起こり、とうとう鬱病を発症してしまいました。精神科には通ってはいましたが、抗うつ剤を大量に処方されるばかりで、よくなる兆しが見えるどころか悪化する一方でした。

 そして、完全なひきこもり状態になり、日がな一日ソファーに横たわってはゴロ寝するだけの毎日になってしまいました。

<カカイムン>

・神の苦しみや怒りは、そのまま負のエネルギーとなって周囲に発散されます。そのエネルギーはいわば神からの信号です。

 そういった信号が発せられている場所に人間が住んだり、商売を始めたりすると、神からの信号の悪影響を受けてしまい、必ずなにをしてもうまくいかないようになります。体や精神にもおかしなところが出てくるようになるでしょう。

 このような現象を、沖縄では「カカイムン(かかりもの)」と呼んできました(神だけでなく、人の霊に憑かれた場合も同様に表現しますが、その例はまた章を改めてご説明します)。

 カカイムンになると、言葉では言い表せないほどの苦しみを体験することになります。 私自身、霊能者として仕事を始める前、嫌というほどそれを味わいました。神や霊からの信号は無視したり抵抗できるものではありません。

 カカイムンの状態から脱するためには、信号を送ってくる神を特定し、昇天していただく必要があります。これが神の救い上げです。

・ところが、残念なことに、神を昇天させられるほどの力を持つ霊能者はそう多くないのです。「あなたはカカイムンだね」というところまで見ることはできても、根本的に解決させることができる方はほんの一握りと言ってよいかと思います。

 沖縄では昔より、カカイムンになった場合には、伝統的な巫女であるユタに頼ってきました。しかし神がどこにいるのか、何の神がついているのかきちんとわかるユタはいません。

 最近では内地でもユタを知る人が増えたと聞きますが、それでもあまりご存じない方がほとんどのことでしょう。

 簡単に言うと、ユタとは神や霊を見ることができる人です。霊媒師と言うと、内地の方にもわかりやすいでしょうか。一般的には女性が多いのですが、ごく少数男性もいます。

 ユタになる人は、サーダカンマリ(霊的なものを感じる力が強い生まれ)をしているのですが、みんなが同じだけ強いわけではありません。「足が速い」といっても、オリンピックレベルから学校の駆けっこレベルまであるようなものです。

 ですので、ユタによっては、今起こっている障りの原因はカカイムンということを察知できても、その正しい対処法まではわからない人が大半です。しかし、頼ってきた人を突き放すわけにもいかないのか、とりあえずは自分の知っている範囲で手探りの拝みをしてしまうのです。

・カカイムンの状態で訪ねたら、ほとんどのユタは拝所廻りを勧めるでしょう。

 沖縄には、諸願成就のためにあちこちの拝所を巡るという習慣があります。

 拝所とは、神様が宿っているという御嶽や御城などのことを指し、洞窟のガマガマ、滝の滝々というほど、あちこちにたくさんの拝所が存在しています。そして、ユタはそれらの一部、または全てを回ることで、神の怒りが解け、カカイムンではなくなるといいます。

 ところが、実際には拝所廻りをして神の障りが解けたという話をあまり聞きません。なぜかわかりますか?

 答えは簡単です。

 そもそも、私が見てきた限りでは、拝所の施設に神がいらっしゃった例はありません。〇パーセントです。

・カカイムンの原因となった神の怒りを解く方法は二つだけ。神の場所を元通りにして人が立ち入らないようにするか、昇天させるかだけなのです。

 しかしながら、昇天させるだけの霊力を持つ霊能者にこれまで出会ったことはなく、ほとんどいないと言わざるを得ません。

 一柱でも多くの神を救い上げようと沖縄のみならず日本全国飛び回ってはいるものの、とても追いつかないような状態です。

 もし、他にもこの力を持つ人がいたら、即お会いしたいと心から願っています。そうすれば、もっと多くの神を救うことができますし、また無駄な拝みを繰り返し、あたら多額の金銭を失い、さらに苦しみを増やす羽目に陥っている人たちを助けることができるからです。

<神から委ねられた仕事>

・伝統的に言われてきたことや、俗説とは少し異なる話も多いので、中には戸惑いを感じられた方もおられるかと思います。

 特に、今まで何度もユタ買いをし、沖縄古来の祈願に親しまれてきた方には、驚くような話も多かったでしょう。きっと「拝所には神はいない」と言っただけでも、ひっくりかえるほどびっくりされたのではないかと思います。

 ですが、ここに書いたことは全て真実、間違いのないことです。神人として働く私の誇りに懸けて断言できます。


by karasusan | 2017-04-04 10:01 | その他 | Comments(0)