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すぐに跡から飛びだして左右をみたが、もうどこにも姿は見えなかった。多分は軒の上に誰かがいて女が外へ出るや否や、ただちに空の方へ引っ張り上げたものだろうと解釈せられていたということである。

 

『遠野物語 山の人生』

柳田国男   岩波文庫    1976/4/16

 

 

14 ことに若き女のしばしば隠されしこと>

・女の神隠しにはことに不思議が多かった。これは岩手県の盛岡でかって按摩から聴いた話であるが、今からもう30年も前の出来事であった。この市に住んで醤油の行商をしていた男、留守の家には女房が一人で、或る日の火ともしごろに表の戸をあけてこの女が外に出て立っている。ああ悪い時刻に出ているなと、近所の人たちは思ったそうだが、果たしてその晩からいなくなった。亭主は気ちがいのようになって商売も打棄てて置いて尋ねていると、とうとう一度だけ姿を見せたそうである。やはり時刻はもう暮近くに、なにげなしに外を見たところが、宿からわずか隔たった山の根笹の中に、腰より上を出して立っていた。すぐに飛びだして近づき捕えようとしたが、見えていながらだんだんに遠くなり、笹原づたいに峯の方へ影を没してしまったという。

 

・またこれも同じ山の麓の雫石という村にはこんな話もあった。相応な農家で娘を嫁に遣る日、飾り馬の上に花嫁を乗せて置いて、ほんのすこしの時間手間取っていたら、もう馬ばかりで嫁はいなかった。方々探しぬいていかにしても見当たらぬとなってからまた数箇月ものちの冬の晩に近くの近所の辻の商い屋に五六人の者が寄合って夜話をしている最中、からりとくぐり戸を開けて酒を買いにきた女が、よく見るとあの娘であった。村の人たちは甚だしく動顚したときは、まず口を切る勇気を失うもので、ぐずぐずとしているうちに酒を量らせて勘定をすまし、さっさと出て行ってしまった。それというので寸刻も間を置かず、すぐに跡から飛びだして左右をみたが、もうどこにも姿は見えなかった。多分は軒の上に誰かがいて、女が外へ出るや否や、ただちに空の方へ引っ張り上げたものだろうと、解釈せられていたということである。

 

・単なる偶然からこの地方の話を、自分はまだいくつもなく聴いて記憶している。それが特に他の府県に比べて、例が多いということを意味せぬのはもちろんである。同県上閉伊郡の鱒沢という村で、これも近世の事らしいからもっと詳しく知っている人があろうが、或る農家の娘物に隠されて永く求むれども見えず、今は死んだ者とあきらめていると、ふと或る日田の掛稲の陰に、この女のきて立っているのをみた人があった。その時はしかしもうよほど気が荒くなっていて、普通の少女のようではなかった。そうしてまたたちまち走り去って、ついに再び還ってこなかったといっている。

 

・『遠野物語』の中にも書いてある話は、同郡松崎村の寒戸(さむと)というところの民家で、若い娘が梨の樹の下に草履を脱いで置いたまま、行方知らずになったことがあった。三十何年を過ぎて或る時親類知音の者が其処に集まっているところへ、きわめて老いさらぼうてその女が戻ってきた。どうして帰ってきたのかと尋ねるとあまりみんなに逢いたかったから、一寸きた。それではまた行くといって、たちまちいずれへか走り去ってしまった。その日はひどい風の吹く日であったということで、遠野一郷の人々は、今でも風の騒がしい秋の日になると、きょうは寒戸の婆の還ってきそうな日だといったとある。


私が思うこと、聞いたこと、考えること

・江戸時代の天狗少年寅吉のように天狗に連れられて、天狗の異界を探訪して、また再び下界に帰って来て、異界の描写をした長い記録がある事例は少ないようです。「遠野郷の民家の子女にして、『異人』にさらわれて行く者年々多くあり。ことに女に多しとなり。-『遠野物語』第三十一話」、「黄昏に女や子供の家の外に出ている者はよく神隠しにあうことは他の国々と同じ。-『遠野物語』第八話」ということで、遠野地方の人さらいや全国の神隠しの事例は多く報告されていますが、その後の詳細は分からないようです。

 

・「平家がプレアデス星人の末裔で、源氏がオリオン星人の末裔」という説もあり、「河童=宇宙人」説や「異人=宇宙人」説が出てくるようになりました。「人さらいや神隠しは宇宙人のアブダクション(誘拐)だった」という説です。天狗少年寅吉のようにアブダクション(誘拐)された人々が戻って来てその事件の詳細な記録が残っているような事例はないようです。「異人=オリオン星人」だったようです。オリオン星人は「オリオンの邪体霊」ともいわれ、米国に来たメン・イン・ブラック(黒衣の男たち)がそうだったそうです。またテレポート(瞬間移動)もできたそうです。階級意識の強い、かなり進化した異星人のようです。

 

・米国でのアブダクション(誘拐)やキャトル・ミューティレーションは当時のマスコミが大騒ぎをしましたが、宇宙人の説話が多く出版され、ハリウッド映画でも小柄な宇宙人グレイのイメージが世界中に拡散しました。アブダクション(誘拐)の映画も多く作られ、テレビなどでも上映されました。自由自在にアブダクション(誘拐)ができるのはゼータ・レチクル星人ともいわれています。

 

・現代社会の「行方不明者」についてのインターネット情報によりますと「警察庁は毎年、家族から届け出のあった『行方不明者数』を公表している。その数は、毎年10万人である。その多くは、数年のうちに解決するが、毎年1000件ぐらいは未解決のままになる」とのこと。現代の社会問題ですが、警察サイドの詳しい資料の調査が必要でしょう。犯罪に巻き込まれ殺された事例もあることでしょう。現代でも神隠しはあるかどうかは知りませんが、昔の場合は現代と違って遠くに行けない場合が多いと思われます。特に昔の年少者はその後どうなったのか、昔の神隠しの数字はどれくらいなのか気になります。宇宙人問題も日本的な対応が主流のようです。『遠野物語』は、柳田国男によると農民たちの作り話ではなく、事実だと述べています。『山の人生』もどうなのでしょうか。

 

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by karasusan | 2014-04-10 17:08 | UFO | Comments(0)