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完全に解明されているわけではないが、現在のところ、ドッペルゲンガーを見る原因は、「脳の病気」だと考えられている。(1)

『本当は怖い科学の話』

科学の謎検証委員会  彩図社  2012/1/25

ドッペルゲンガーという名の「分身」の正体

芥川龍之介の事例

世の中には自分の「分身」が2人いて、2人目に遭遇すれば、死んでしまう――これは、ドイツ語で「二重身」という意味を持つ「ドッペルゲンガー」にまつわる言い伝えだ

 歴史を彩る偉人の中には、ドッペルゲンガーを見た経験を持つという人が複数おり、『羅生門』などの作品で知られる小説家・芥川龍之介も、そのうちの1人だ。以下は、芥川がドッペルゲンガーを見た体験を話す様子である。

 芥川はある座談会で、ドッペルゲンガーの経験があるかとの問いに対して、「あります。私は二重人格は一度は帝劇に、一度は銀座に現れました」と答え、錯覚か人違いではないかとの問いに対しては、「そういって了えば一番解決がつき易いですがね、なかなかそう言い切れない事があるのです」といっている。

そして、芥川がドッペルゲンガーとの遭遇を書いたのではないか、と言われる作品が、「2つの手紙」という短編だ。

 この小説で、主人公は妻と行ったコンサート会場で小用に立ち、席に戻ろうとすると、妻の横には、すでに自分と同じ着物、同じ背格好の後姿がいた、という驚愕の現場を目にする。

 その後、主人公はこの恐怖体験を日記に書くが、なんと今度は、自分の

妻のドッペルゲンガーが顔を寄せ合い、その日記をこっそり読んでいるところを目撃するのである。

 これはあくまで小説の中の話だが、その光景を想像するだけで、ゾッとしてしまうような場面だと言えるだろう。

 ちなみに、芥川の遺稿となった「歯車」という小説でも、魂が抜けていくぼんやりとした不安や幻覚に加え、ドッペルゲンガー現象を思わせる記述があり、芥川の精神状態や体調などが不安定だったことをうかがい知ることができる

「分身である」と確信

・すでに述べた通り、芥川龍之介の他にも、ドッペルゲンガーを見たという記録が残っている偉人は意外と多い。

 ロシアの女帝・エカテリーナ2世は、自分の玉座に座る分身を見て間もなく死亡。また、アメリカ合衆国大統領・リンカーンも暗殺される前日にドッペルゲンガーを見たという。

 その他にもフランスの文豪・モーパッサンやイギリスの詩人・シェリーも、ドッペルゲンガーに遭遇した直後、死を迎えたと伝えられている。

 では、このドッペルゲンガーという存在は、本当に「分身」なのか。

 芥川も「錯覚か人違いではないか」という質問を受けているが、ドッペルゲンガーを見た人は、「単に自分に似た人ではないか?」などと迷うことなく、「分身だ!」と強く確信するという。

 場合によっては、表情や年齢が、自分とはかなり違った姿であるにもかかわらず、ドッペルゲンガーに遭遇した人々は、絶対的に、「これは自分の分身だ」と信じて疑わないのだそうだ。

オートスコピー

・では、なぜこのような「死の使者」が見えてしまう人がいるのか。

 完全に解明されているわけではないが、現在のところ、ドッペルゲンガーを見る原因は、「脳の病気」だと考えられている。

 中でも、脳の側頭葉と前頭葉の境界にある「側頭頭頂接合部」に脳腫瘍ができた患者は、「オートスコピー(自己像幻視)」と呼ばれる、自分の分身を見る症状を発症しやすくなるという研究結果が出ている。

 実際、頻繁にドッペルゲンガーに遭遇し、悩んでいたあるスイスの陶芸家は、診察で脳腫瘍が見つかり、これを手術で切除した後、二度と見ることはなくなったという。

 この側頭頭頂接合部は、主に自分の体のイメージを司ると言われている。つまり、他人から見て「自分はこんな感じだろう」という「客観的な自分」を想像する場所なのだ。

 ここに何らかの異常が生じることで、そのイメージと本当の自分が分離し、次第に「分身を見たと思い込んでしまう」のである。

・脳腫瘍以外には、偏頭痛による血流の変動によっても、オートスコピーを発症する場合がある。

 実際、芥川もリンカーンも、かなりの偏頭痛の持ち主だったと言われ、彼らがドッペルゲンガーを見たのは、それが原因だと考えてもおかしくない。

コンプレックスが幻覚を見せる

・さて、脳の病気を患った人々ばかりではなく、重篤な精神疾患者も、ドッペルゲンガーを見ることがある。

 ドッペルゲンガーを見たという患者の中には、「自分という存在は何か」「人とは何か」などといったことについて、延々と医師に訴える人が少なくないと言われる。

 このような、答が出ない根源的な疑問、ひいては、自分に対する「コンプレックス」が、ドッペルゲンガー現象に大きく影響していると指摘する心理学者も多い。

 特に、「1人の人間に独立した複数の人格が現れる」という「解離性同一性障害」の重篤な患者の中には、自分の心の中で分身を作り出してしまい、「幻覚」としてドッペルゲンガーを見る人もいるという。

 これは、強すぎるコンプレックスによって精神のバランスが崩れ、本来、前に出るはずの「自我」を抑え込み、「裏性格」が分離してしまうというパターンだ。

 このケースは脳の病気とは異なるが、腫瘍を取れば症状が治まるといったものではないため、治療の長期化を余儀なくされることもある

 いずれにせよ、ドッペルゲンガーに遭遇するという状況は、心身のどちらかが病魔に侵されている状態である可能性が高い。

 そう考えれば、「見た者は死ぬ」というのは、あながち嘘でも大げさでもないと言えるのかもしれない。

国民の過半数が進化論を信じていないアメリカ

進化論に否定的な教育

1999年、アメリカ・カンザス州の教育委員会が、とある決定を下した。それは、公立学校において使用される教科書から「進化論」の記述を削除するというものだ。

 つまり、カンザス州では、旧約聖書に記された「天地創造」を真実とし、ダーウィンの進化論を否定する教育が行われようとしたのだ。

しかし、その後の教育委員の選挙で保守派の委員が落選し、結局、この決定は取り消されたものの、われわれ日本人にとっては信じられないような出来事だと言えよう。

この他にも、1925年にテネシー州で生物学の教師が「進化論を教えた」として訴えられたり、また、2002年のオハイオ州では、「教師は、進化に関して議論があることを教える必要がある」という法律が制定された。

 そして現在でも、アラバマ州やジョージア州では、「教師が進化論に疑問を呈することを許可する」という法律が提案されている。

科学に対する創造論者の抵抗

・そして、この『種の起源』の中でダーウィンが提唱したのが、「進化論」という説だ。

 だが、聖書の教えは絶対だとするキリスト教の信者たちが、この説に猛反発する。

・この冊子『ザ・ファンダメンタルズ』は、キリスト教信仰の基本である「処女受胎」「キリスト復活」そして創造論の根拠となる「天地創造」などを再確認させ、聖書の内容を防衛するために作られたものだった。

 そして、この本に影響されたキリスト教の信者たちは、聖書の教えに反する科学や理論を頑なに否定するようになった。

 なお、こうしたキリスト教の原理主義者たちは、「ファンダメンタリスト(キリスト教右翼)」と呼ばれることもある。

キリスト教右翼の政治介入

・キリスト教原理主義者の中には、「福音派」と呼ばれる穏健勢力も存在するが、彼らは、主に布教について熱心であり、教育や政治活動への関心はそれほど大きくはない。

 その一方で、キリスト教右翼たちは、教育だけでなく、政治の世界にも積極的に介入している。

 例えば、アメリカ2大政党の1つである共和党の支持層は、「キリスト教連合」をはじめとするキリスト教徒たちの団体であり、あのG・W・ブッシュ元大統領も、これらの団体の支援に助けられて大統領に就任した。

 そんなブッシュは、2006年に、「公立校でも生命の創造を子どもたちに教えるべき」と述べている。

創造博物館

・政治や教育現場だけでなく、キリスト教右翼たちは、もちろん一般層への創造論の普及も忘れていない。その最たる例が、「創造博物館」の存在である。

・つまり、キリスト教右翼は創造論に科学をあえて組み込むことでオカルト色を薄め、進化論に変わる真実の法則であるとして、世間にアピールすることに力を注いでいるのである。

アメリカの二面性

・このように、アメリカという国は、日本人が考えている以上にキリスト教の影響力が強い。

 ニュージャージー州の、プリンストン大学宗教調査研究所が毎年行っている宗教動向調査によれば、国民の9割近くが神への信仰心を持ち、また、2007年の調査では、国民の約3割が、聖書のすべてを受け入れることが信仰であるとお答えている。

・また、アメリカのある調査会社の、2010年の調査によれば、進化論を信じるアメリカ人は、過半数を割る40%という結果が出ている。

 さらに、過激な意見の中には、「核戦争こそ世界最終戦争の到来であり、核で全世界が滅びた後、最後の審判が下される」というものもあり、その日を待ちわびる人もいるという。

 そして、一部のキリスト教原理主義者たちは、今日もまた、科学や進化論の否定運動を続けていることだろう。

ジョン・タイターという未来人とタイムマシン完成の可能性

<未来人現る?>

・遊びか本気かはともかくとして、「未来人」を名乗る人物が、ネットの掲示板にスレッドを立てるケースはままある。

 こうした、ネット界の「自称未来人」の中で、最も世間を騒然とさせたのが、ジョン・タイターなる人物である。

 2000112日、彼は、アメリカの某掲示板サイトに「私は未来からやってきたタイムトラベラーだ」と、書き込みを始めた。

 それによると、タイターの住む2036年のアメリカは戦争によって荒廃しており、彼は、陸軍施設に勤めている政府のタイムトラベル要員として、壊滅したインターネットの再構築に必要な初期コンピュータを入手するため、過去の世界にやって来たのだという。

 タイターは、タイムマシンの説明図の画像を掲載したり、2036年まで起こる歴史的な事件を発表したりするなど、その情報の公開も堂々たるものだった。

 そんなタイターの書き込みは、約4か月後、任務完了の報告を最後に、ぷっつりと途絶えてしまう。

・しかし、その後、アメリカ連合軍がイラクの空爆を開始したり、中国初の有人宇宙船「神舟5号」の打ち上げが成功するなど、彼の「予言」の中には、的中したと思えるようなものもあった。

 そのため、今なお、ジョン・タイターは本物の未来人であったのではないかと信じている人もいる。

タイムマシンに必要なもの

タイムマシン、あるいはタイムトラベラーなどの言葉を聞くと、どうしてもSF的に思えてしまうが、普通の人の感覚であろう。

 だが、実際のところは、ジョン・タイターのように、未来から過去にさかのぼるのではなく、過去から未来に行くのは理論上可能だと言われている。

 タイムトラベルを考えるうえで、絶対に外せない考えが、「重量のある物体の速度が、光の速度に近づけば、その物体の時間の進み方は遅くなり、光速に達すると時間は止まる」という、アインシュタインの『相対性理論』だ。

 この理論にしたがえば、秒速30万キロという光速に近い乗り物に乗って走れば、そこだけは周りよりもゆっくりと時間がすすむ。そのため、周囲が何百年経っていても、乗り物の中での時間は1年しか経っていないといった状況が生じ得るのである。

 このことは、浦島太郎の状態になぞらえて『ウラシマ効果』とも呼ばれる。すなわち、自分は若いままで、時間を飛び越えることができるというわけだ。

・しかし、どれも実践するには非現実的であり、相対性理論上「質量を持つ物体は、光速を超えることはできない」という結論で留まっていた。

 ところが2011923日、名古屋大などの国際実験チームから、驚愕の研究結果が発表された。

 それは、「素粒子『ニュートリノ』は、光より0.0025%速く飛ぶ」というものである。

 この研究結果が事実であれば、人類が、過去にさかのぼるための装置を製造する可能性が見えてくる。

 ただ、これについては、時間の計測方法についての疑問があったり、その後、別の研究チームから「光より速い」という結果が否定されるなど、今のところは確定的なものではない。

親殺しのパラドックス

・さて、仮にニュートリノが本当に光速を超えたとしても、過去にさかのぼるうえで、もう一つ大きな問題が立ちはだかる。

 それが、「親殺しのパラドックス」だ。

 これは、過去に戻った人が、何らかの事情で自分の祖先を殺してしまった場合、その人は生まれないという理屈である。

 つまり、タイムトラベルをしている自分自身が存在しなくなる、という矛盾が生まれるというわけだ。

 ただ、これに対しては、過去へさかのぼるタイムトラベルを行った場合には、自分が経験した過去ではなく、「パラレル・ワールド」にたどり着くので問題ないという説もある

ジョン・タイターの予言

それであれば、ジョン・タイターという男が、本当に未来人だった可能性も、ゼロではないのかもしれない。

 そして、そんな彼が書き込んだ予言の中には、現実になったら困る、かなり物騒なものもある。

 例えば、2015年には「第3次世界大戦」が起き、ロシアがアメリカ・ヨーロッパ・中国に対して核戦争を仕掛け、30憶人もの死者を出し、さらに放射能汚染で、世界は破滅的な被害をこうむるという。

 そして日本は、同じく2015年に、台湾などと共に、中国に強制合併させられるという。

 タイムマシンが実現可能かどうかはともかく、これらの予言はぜひ当たらないよう願いたいものである。

ウイルスと人間の終わりなき戦い

最悪のウイルス・エボラ

・感染後の潜伏期間は短く、症状は、発熱や頭痛を覚えた後、全身の穴という穴から出血する。

 出血が起きれば、およそ3週間以内に死亡するとされ、その確率は、なんと5090%にもなる。

 しかも、ワクチンはいまだ開発されず、治療法も確立されていない。

 そんな最悪の感染症が、「エボラ出血熱」だ

エボラウイルスの特徴は、「感染する細胞を選り好みしない」という点だ。

ウイルスは「死なない」

・では、一体、ウイルスとは何なのか。

 感染症は、寄生虫や細菌、そしてウイルスなどの病原体に感染することで起きるが、このうち、寄生虫と細菌は細胞で構成されている。

 細胞でできた生物の害から身を守るためには、その細胞を破壊すればよい。

 特に、細菌相手の場合は、細菌の細胞にのみ毒性を示す抗菌剤もある。それが、「抗生物質」だ

 一方、ウイルスは細胞を持たない。ウイルスを構成しているのは遺伝子とタンパク質であり、自らのエネルギーを作り出すことも、また、他の生物の細胞の栄養素を利用しなければ、増殖することもできない。「生物」を大雑把に定義すれば、「細胞を持ち」「代謝でエネルギーを作り」「自己増殖できる」もののことだと言える。

 つまり、ウイルスは生物とは呼べない存在であり、生物でない以上、「死」という概念もない。

 よって、ウイルスを死滅させることはできない。可能なのは、ウイルスの除去、あるいは不活性化であり、もちろん、抗生物質も、ウイルス性の感染症に対しては効果がない。

ウイルスへの対処法

・では、ウイルスに対して、人間はまるで無防備なのか。

 そうではない。実は、ウイルスから人間を守るのは、外ならぬ人間自身が持つ力なのだ。

 人間を含む一部の生物には「免疫作用」が備わっており、具体的には、免疫細胞が活躍する。

・しかし、一種類の抗原に対して作られる抗体は一種類で、抗原が侵入してから抗体が作られるまでには時間も必要だ。よって、その隙に侵入が進むこともある。

 ただ、一度作られた抗体は、かなりの期間効果があるので、同じ抗原が再度侵入すれば、免疫細胞はすばやい攻撃が可能になる。

 このシステムを利用したのが「ワクチン」であり、同じ抗原でも毒素のない、もしくは少ないものを体内に入れ、あらかじめ抗体を作っておくという予防法である。

特効薬は存在しない

・また、ウイルスに対する、いわゆる「特効薬」と呼べるものは、現在のところ存在しない。

 例えば、ウイルス性肝炎に用いられる「インターフェロン」は、ウイルスの増殖を邪魔する物質でしかなく、また、あの有名な「タミフル」も、インフルエンザウイルスが、細胞から分離するのを阻止するだけのものだ。

 つまり、ワクチンという「感染予防薬」がない状況では、基本的には、人間の免疫に頼るしかないというのが実情なのである。

人間vsウイルス の果てなき戦い

・さて、「ウイルスは死なない」と述べたが、実は、天然痘ウイルスのように、ワクチンによって抗体を持つ人が増えた結果、根絶されたウイルスも存在する。

 よって、これまで1人でも感染した人がいるウイルスであれば、天然痘ウイルスの場合のように、その人の抗体を利用して、ワクチンが発明される可能性はある。

 そうであれば、エボラ出血熱やエイズも、感染前にワクチンを打つことで予防でき、もしくは軽症で済むようになるかもしれない。

 ただ、その一方で、ウイルスは日々突然変異を起こしていると言っても過言ではなく、新型が誕生すれば、今までのワクチンはまるで効果がなくなってしまう。

 新型ウイルスの誕生と、それに対するワクチンの開発、そして新たなるウイルスの誕生――この繰り返しは、人間とウイルスとの、永遠の戦いと言わざるを得ないのかもしれない。

<●●インターネット情報から●●>

ウィキペディアWikipedia(フリー百科事典)から引用。

(ジョン・タイター)

ジョン・タイター(英:John Titor) は、2000年にインターネット上に現れた、2036年からやってきたタイムトラベラーを自称する男性である。自分を1998年生まれだとした。

(タイターの世界での出来事)

2000年問題によって起きた災害や混乱が、後の内戦の火種となる。

CERN2001年近辺にタイムトラベルの基礎理論を発見し、研究を開始する。

アメリカ国内でも狂牛病が発生する。

2001年以降にそのうち中国人が宇宙に進出する。

2001年以降に新しいローマ教皇が誕生する。

ペルーで地震が発生(2001年にペルーでの地震をほのめかした4ヶ月後にペルー地震発生)

世界オリンピックは2004年度の大会が最後となり、2040年度にようやく復活する。

2005年にアメリカが内戦状態になる。

2008年、アメリカ合衆国の都市部で急激に警察国家化が進み、都市内部と都市外部で内部抗争が発生する。

中国に併合された3地域のその後については、様々な説が存在する。本項ではその一部を載せる。

2011年、内戦が原因でアメリカ合衆国が解体されるが、翌年にはアメリカ連邦帝国が建国される。

2015年、ロシア連邦が反乱部隊の援助という名目でアメリカ、中国、ヨーロッパの主要都市に核爆弾を投下。アメリカが反撃し核戦争となり、第三次世界大戦へと発展する。

その後、アメリカの外交権麻痺に乗じて、中華人民共和国が覇権主義を強化。台湾、日本、韓国を強引に併合する。後にオーストラリアが中国を撃退するが、ロシアの攻撃により半壊滅状態になる。ヨーロッパ諸国もロシアによりほぼ壊滅するもアメリカが撃退し、ロシア連邦が崩壊する。2017年、30億人の死者を出した末、ロシアの勝利に終わる。

2020年、アメリカ都市部の勝利により内戦が終わる。ロシアの援助によって、新たな連邦政府が成立する。

アメリカの地方区分は、現在の州ではなくなる。分裂したときの5勢力で構成され、社会主義国家に近くなる。内戦後の生存者は図書館や大学の周りに集結してコミュニティを形成している。新たな連邦政府は首都を現在のネブラスカ州オマハに置いている。アメリカ以外のほとんどの国も社会主義国家のような体制になっていく。2040年頃、オリンピックが復活する予定。

2045年頃、タイターの個人的な予想ではタイムマシンが一般利用できるようになるであろうと思われる。

2036年の状況)

タイターのいた2036年は、以下のような状況だという。

テレビと電話はインターネットにより提供されている。

タイムマシンが実用化されて既に2年が経過しているものの、その存在を信じていない人々も大勢いる。

タイムマシンは世界の幾つかの国が複数台所有しているが、一般市民が使用できるわけではない。

無線のインターネット接続がどこでも可能になっている。核戦争後の荒廃で物理的アクセスに制約があるため、コミュニケーションツールとして重宝されている。

プログラミングの主流が、「If/Then」方式から「If/Then/Maybe」方式へと変わっているという

要出典:自らを『自分はコンピューターのエキスパートではない』と何度も言及している。タイター自身がプログラミングに関して記述した部分は原文には存在しない。タイターが2001年に来たとき新聞などで見た企業(デル、グーグル、マイクロソフトなど)は、そのどれもが存在していない。

要出典:原文においてタイターがデル・グーグル・マイクロソフトに関して語った部分は見当たらない。一般的にデジタルカメラが主流で、フィルムカメラは主に専門家などが使用している。

宇宙人は見つかっていない。タイターは現在UFOとされているものはタイターの時代よりもっと未来からのトラベラーなのではと語った。

飲料水や淡水の確保が大きな問題となっている。

地球温暖化は、さほど問題になっていない。

出生率は低い。

エイズと癌の治療薬は発見されていない。

核戦争による汚染がひどい。

核戦争の後、人類は戦争に疲れ果て、それぞれの国が孤立化した状態になる。現在のような活発な外交関係は無くなる。他国への航空便などは存在するが、本数は今よりも格段に少なくなる。しかし、核兵器や大量破壊兵器が完全に消滅したわけではなく、世界中にはまだ多数の兵器が存在している。

人間の平均寿命が60歳に満たなくなる。また、警察国家を信奉する勢力を壊滅させたとはいえ、完全に消滅したわけではない。そうした勢力が、タイターらの住むコミュニティ外に密かに存在している。そうした集団との戦争は続いている。

信仰は2036年の人々の生活の中でも大きな存在であり、タイター自身もキリスト教徒であるが、宗教自体が現在のような一様な価値観からもっと個人的なものに移り変わっている。また、お祈りの日も日曜日ではなく土曜日になっている。

善悪についての考え方が大きく変わった(一人の人間がとるあらゆる行動は、どこかの世界線において行われている、という世界観が広まったため)。

『怪奇事件の謎』

小池壮彦  学研   2014/7/8

明治天皇“すり替え説”と“ドッペルゲンガー”、そして、芥川龍之介の憂鬱

・芥川龍之介と言えば、天才小説家で芸術至上主義者で、晩年は神経を病んで自殺したと学校で習ったはずである。

天皇資本主義の虚構を見限った芥川

・当然と言えば当然なのだが、彼らは天皇がフィクションであることを百も承知だった。彼らにかぎらず、明治時代の前半ぐらいまでに生まれた知識人ならあたりまえのことである。また芥川は海軍機関学校の教官だったし、鴎外は陸軍省の軍医だった。志賀直哉は帝政エスタブリッシュメントの学習院グループにいたのであるから、宮中周辺から漏れてくる“明治天皇すりかえ説”ぐらいは耳に入っていてもおかしくない。

1920年(大正9年)に明治神宮が創建されたとき、天皇の出自を巡って世間では南北朝問題が蒸し返された。明治天皇は北朝天皇だが、南朝天皇が正統であるという議論があったため、元宮内大臣・田中光顕や宮中顧問官・山口鋭之助などが、明治天皇南朝説を流布したのである。つまり、明治天皇は維新のときに、実は南朝の胤とすりかわったという説である。もちろん戦前には公にできない説明だったし、本当にすりかえの事実があったのかどうかはわからない。政府が正式に認めるはずもないことなので、真相は藪のなかである。

・この説についての私の考えを言えば、仮に天皇の身柄がすりかえられていたとしても、その程度の手続きは1千年前からの朝廷の常套手段にすぎない。何も明治天皇だけに特有の奇説ではないので、本当かどうかを問うことは無意味である。神武天皇の実在を問うことに等しいと言えばわかりやすいだろうか。国文学者・折口信夫によれば、皇統譜は信仰上の系図である。その意味がわかっていればいいだけのことで、要は虚構に対する態度の問題にすぎない。森鴎外もその虚構を知っていて胸におさめた。そして立場上は鴎外などよりフリーだった志賀直哉は、極めて単純に馬鹿馬鹿しいと本音を吐露しただけである。

一方で、芥川龍之介は天皇の問題を念頭に置きつつ『将軍』という小説を書いた節がある。近代日本の二重基準、すなわち王政復古と欧化売国という欺瞞的な体制のなかで、芥川は天皇資本主義の虚構を見限り、社会主義に傾いた。だが最後まで傾き切れずに自殺した。

“世のなかの現実”そのものがフィクション

・明治神宮の創建にまつわる話題が世上をにぎわした当時、芥川龍之介は大阪毎日新聞社に所属していた。1921年(大正10年)には中国への旅に出かけている。小説を書くための取材旅行を装ったエージェント的な視察のなかで、彼は大陸のアナーキストと接触し、帝政日本への懐疑を強める。その後に問題作『将軍』を書くのである。

明治の支配層が構築した「帝国憲法システム」

・この帝国憲法システムは、経済的には皇室財産という特別会計を無尽蔵に増幅させ、政治的には帝政の実態を可視化させない言論統制を担保した。そして統治の実態を隠すためのカモフラージュとして、“アカデミズム”と“ジャーナリズム”が機能した。

芥川が見た“分身”の正体

・しかし、芥川龍之介(明治25年生まれ)の世代になると、すでに近代のレールが通された後に成人したため、前の世代より統治のしくみに無自覚になる。そこへ大逆事件が起きて、言わば寝た子を起こす形になるのだが、徳富蘆花が危惧したように、力による思想弾圧は、逆に無政府主義者の種を増やす。当時の一高生も社会主義に目覚めていった。芥川のような芸術家にはそれは難しかっただろう。資本主義の欺瞞に耐え切れず、社会主義者にもなりきれない。

・芥川にまつわる伝説として、彼は自らの分身“ドッペルゲンガー”を見たという逸話があるが、それは近代天皇資本主義という歯車に身を委ねて回転する自分の姿と、そのシステムから脱却したいと願う自我との両映しだったのではないか。明治帝政の替え玉的性格、すなわち、“ドッペルゲンガーとしての日本”に絶望し、自ら命を絶ったとも思うのである。

異星人“アレシュカ”をめぐる奇妙な物語

・未確認生物の話題というのは、いつの世でも人の好奇心をくすぐるものである。

 1980年にプエルトリコで小人の集団が目撃されたケースでは、ハンターに殺された小人の死体が存在したことから謎が謎を呼ぶことになった。

 小人の身長は30センチほどで、体形は人間の胎児に似ていたという。耳がなく、頭がやたらと大きかったというので、いわゆるグレイタイプの異星人に似たものである。ハンターはこの死体をアルコール漬けにして保管したが、その日から不審者に付きまとわれるようになった。やがて小人の死体は何者かに盗まれて行方不明だそうである。

 1996年にも、ロシアのウラル地方で大きな頭を持つ小人の死体が発見された。身長は25センチぐらいで、やはり耳がなく、プエリトルコの小人と似た特徴を持っていた。

 “山中に棲む妖精たち”というファンタジーとは趣が違うようである。

ロシアの小人についてはめずらしく詳細が報道された>

・それによると、発見者は地元に住む老婦人で、村はずれの墓地で突然“小人”に出くわしたという。老婦人は小人を家に連れ帰り、“アレシェンカ”と名づけて自分の子供のように育てはじめた。だが不審に思った隣人が病院に通報し、老婦人は強制入院させられた。その後に小人のミイラ化した死体が婦人の家から見つかったという。

アレシェンカは、いつ、どこで、なぜ生まれたのか?

・アレシェンカの死体には、人間とは異なる特徴がいくつもあった。だが、この死体も案の定、何者かに盗まれて現存しない。生前のアレシェンカを知る生き証人だった老婦人は、謎の交通事故で他界したという。

2007年に『プラウダ』誌が報じた記事によると、モスクワの法廷医学研究所がアレシェンカのDNA鑑定をおこなった結果、「ヒトや類人猿に関係するあらゆる遺伝子に対応していない」という新たな見解が出たという。物語の展開としては、おもしろくなくなったと言えるのかどうか。これは未知の人類が存在するということなのか?

禁断の実験の行きつく先

・アレシェンカをめぐる物語は、何かしらの非人道的な現実を隠すためのギミックではないかとも思われる。私が学生の頃(1980年代)、「いま一番ヤバいのはバイオだよ」とよく言われていたが、闇で何でもやれる有望な分野が、生物工学・生物医学だとされていた。

 その当時に刊行されていたE・Rコッホ&W・ケスラー著『生物医学の悪夢』という本や、G・R・テイラー著『人間に未来はあるか』などの本には、21世紀に向けた生物医学革命のスケジュールが載っていた。すなわち、1975年までに記憶の消去人造ウィルスの技術を完成させ、2000年までに完全な人工胎盤とベビー工場ヒトと動物との雑種を完成させるというヴィジョンであった。1980年代当時には、あまりリアリティの感じられない話であったが、いまやヒトのクローンが現実的な話題になっている。この30年の間に闇の技術”はとりかえしのつかいない成果を生んだ可能性もある。

・どこまでが戯言だったかは不明だが、ヒトとサルの雑種で同時に“天才児”でもある生物の特徴は、まったくもってグレイタイプの異星人と一致する。

グレイタイプの異星人の正体

・アメリカ海軍の次世代無人攻撃機「X-47B」は、はたから見ればUFOと言われそうな代物である。世に言う未確認飛行物体未発表の戦闘機の異名であれば、「あらゆる遺伝子に対応していない」というアレシェンカもまた未発表の人間もどきなのかもしれない。

・プルトニウム注射の人体実験は、1990年にアメリカ政府が認めた事実である。第2次世界大戦時の「マンハッタン計画」(原爆製造計画)というのは、こうした人体実験を継続的に行なうことも含めた長期プロジェクトだった。そして「宇宙人解剖フィルム」が出てきた時期は、ちょうどこの人体実験の問題をクリントン政権が認めた時期と重なっている。

 政治的に都合の悪い問題が出てくると、宇宙人のネタをぶつけて世間を煙に巻くのは定石だが、もしグレイタイプの異星人の正体が人体実験の結果なら、アレシェンカも同様の事例だった可能性が出てくる。放射能汚染の問題には未知のことも多い。全国に核施設を張り巡らせた日本にとっても、他人事ではないのである。


by karasusan | 2018-07-24 06:42 | UFO | Comments(0)